メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本
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(2020-04-29 読了)
まとめ
プレイングマネジャーが成果を上げるには下記が重要、という話
仕事をいかにメンバーに任せていくか (自分がいなくても回るチームをどう作るか)
いかに無駄な業務 (成果に結びつかない業務) を減らしていくか
現場感を活かしてイノベーションを起こしていく
内容・感想
なぜ 「プレイングマネジャー 」 の本なのか? (「マネジャー」 ではダメなのか?)
一般的に経営者や上級管理職などのマネジメント専業の仕事と、プレイングマネジャーの仕事との間には本質的な違いがあるから (自身の業務と部下マネジメントの両方を行う必要があるため、専任マネジャーのノウハウを伝えてもやることが増えて余計忙しくなってしまう)
それは本質的な違いなんだろうか nobuoka.icon
日本の課長職の 99.2 % がプレイングマネジャーだと言われている
そのうちの 60 % が、「プレイヤーとしての業務活動がマネジメント業務に支障をきたしている」 と回答している (産業能率大学 「上場企業の課長に関する実態調査」 2018 年)
序章 最高のチームをつくるプレイングマネジャーの 5 つの心得
心得 1 : 「自分でやってしまいたい」 を捨てる
「自分でやりたい中毒」 : 「自分でやってしまいたい」 と思ってしまう衝動。 これこそが 「いつも忙しい」 「部下が育たない」 という問題を引き起こす
そうだね nobuoka.icon
マネジャーになっていく人は、原則としては 「自分ではタスクを追ってはいけない」 「自分が動いてはいけない」 という意識の転換を求められる
心得 2 : 任せられるマネジャーは “今” ではなく “1 年後” に視点を置いている
今だと自分がやった方が早くても、1 年後のことを考えると仕事を任せて行った方がチームとしての能力は高くなるよね、というやつ
心得 3 : ブレない判断基準を持てば、業務量を 3 割減らせる
顧客満足、従業員満足、コンプライアンス、の 3 つに悪影響があるかどうか、という判断基準で業務量を減らす
心得 4 : あなたがいなくても勝手に動くチームを目指せ
企業内で上司が直接管理できるのは一般的に 5 〜 7 人と言われている
プレイングマネジャーだと、自分の業務もあるので半分の 2 〜 4 人程度が適性
この人数を超えるメンバーがいる場合は、マネジメントの一部もメンバーに任せていく必要がある
自分がいなくても仕事がまわる組織づくりをすることがプレイングマネジャーの責務
心得 5 : 「仕事がまわる」 がゴールではない。 現場からイノベーションを起こせ
プレイングマネジャーだからこそできること : 現場間を知っているからこそできる、新しい挑戦を企てて成果を上げること。 現場感を武器に 「新たな勝ち筋」 を見出す実験をする。
社内相手でも社外相手でも、「不」 の声を集めて素早く実験していく
プレイングマネジャーがやるべき挑戦 :
お客様の要望にただ応えるだけでなく、期待を超えるサービスに挑戦する
部下に高い期待をかけ、部下のキャリアの可能性を広げる
1 章 誰にでも不安なく引き継げる仕事の任せ方
セルフコンパッションが低いと、なかなか人に任せられない
挽回できない失敗と、挽回できるミスを分けて考える
今の能力ではざくっとは任せられない相手にはティーチング
丁寧に指示する指導法。 細かく伝えて (何を、いつまでに、どのように、どこに、誰に、目的)、不安や不明な点がないか尋ねて、最後に復唱してもらう
自分基準で伝えるのではなく、相手に合わせて伝える
挑戦を促進する
挑戦や失敗を恐れないマインドの醸成
方法
小さな成功体験
上司からのポジティブなフィードバック
積極的な人と一緒に仕事をしてもらう
時短勤務・ワーキングマザー
ワーキングマザーが成果を出せる職場 : メンバーが育児と仕事について理解・協力をしてくれて、職場として達成すべき目標がある職場
支える仕組みを作り、支えた人が評価される職場
責任ある仕事を複数人に割り振ることで自然と助け合える仕組みをつくる
競争意識のある職場
時間の制約があり、同僚とフェアに競える状態にないから
競争意識があると、同僚にお願いすることも難しい
マネジャーが適当な方が部下はよく育つ
仕事を任せるときは、条件を伝える。 MUST 条件と WANT 条件
その条件を満たす中で創意工夫ができるように
改善した方が良い部分については 「次回からはこうしたら良いよ」 ぐらいの感じでフィードバックするぐらいが良い
2 章 いちいち言わなくても勝手にメンバーが動く仕組みの作り方
何かを成し遂げたいなら評価を変えるのが一番早い
例えば残業を減らすことを目指す場合、残業を減らすことが評価される仕組みにする
評価を変えた上で対話して納得を得ていく
「不」 をチャンスにできているか? : 提案コンテストとか
仕事の質は仕組みで維持する
品質マネジメントの手法。 共通の基準を作る
第 1 次品質 : それがないと、最低限の品質を担保できない状態
第 2 次品質 : 相手にとって過不足ない状態
第 3 次品質 : 相手の期待を超え、嬉しいと感じる状態
3 章 無駄を削減し、効率を上げるチームの仕事の減らし方
本質的でない無駄な業務 (効果に影響しないこと) を徹底的に減らす。 合目的的に
Eliminate・排除 : 業務そのものをなくせるか?
Combine・結合 : 複数の業務をまとめられないか?
Rearrange・順序変更・交換 : 作業順序を変えて効率化できないか?
Simplify・単純化 : 作業内容を簡単にできないか?
職場全体の手間をなくす
2 つの視点
「会議」 と 「記入」 の無駄を減らす
ばらつきをなくすため 「業務の平準化を図る」
安易に 「人を増やして対応」 としない
人を増やすから無駄な仕事が増える、ということもある
4 章 あなたがいなくても仕事がまわるチームのまとめ方
マネジャーがいなくても判断ができるように、行動指針・方針を明確に示す。 キャッチフレーズでわかりやすく伝えるとか
一体感を生み出すために、未来予想図を語る
誰のために、何のために、現状をどういう状態にしたい?
未来予想図を実際の目標に落とし込めると良い。 会社に与えられた目標とは別の挑戦目標 (アスピレーション (志) と呼ぶ) を設定する 連結ピンとなる参謀役が不可欠
参謀役を育てるには
マネジャーの代行者をお願いしたいということを伝える
問題の目線合わせを常にしておく (今の組織の状況は何点か? 今のチームに何が不足しているのか?)
課題設定力を鍛える (なぜその対策? 他に方法は? ということをことあるごとに質問する)
対策を考える際の基準を揃える
PDCA を回すように
役割を任せて、役割に対して成果を求める
5 章 部下の主体性とやる気が高まるプレイングマネジャーの考え方
マネジャー自身の成果が上がっていない時でも、萎縮してはならない
成果が上がってないときは萎縮すべき、というメッセージになる
そうではなく、いかに対策するかという姿を見せる
なかなか成果を出せないメンバーでも、別の方法でチームを助けることもできる可能性がある
本人が直接売り上げに結びつく仕事ができなくても、他のメンバーの売り上げを上げる支援ができる、とか
メンバーのモチベーションダウンに繋がるような判断をしない
無理な仕事を引き受けるとか。 無理なものは無理と断る
一貫した判断を行う
データ収集は適当でいい
未来にどうなるかなど確かなことは言えることはほとんどない
提案や判断の確度を上げるためにデータは必要だが、いくら集めても不確実なものは不確実
データを集めるのに時間をかけるよりも、実験をする
「オフィスで働く」 という常識にとらわれない
2015 年の FlexJobs の調査で、労働者の 76 % がオフィス外で作業した方が捗ると回答
終わりに
できることならマネジャーはマネジメントに専念すべき
プレイングマネジャーは、現場感があるからこそ専任マネジャーにはできないダイナミックな成果を上げることができる
プレイングマネジャーがマネジメント業務をしっかり行うためには、大胆に部下に仕事を任せていく必要がある